「植物画世界の至宝展」と「世界遺産・博物館島『ベルリンの至宝展』」
2005年 08月 25日
8/21の記事、「ミッフィーが生まれて50年 ミッフィー展」と「無言館 遺された絵画展 ~戦後60年いのちの証」で、京都と神戸でそれぞれ二つずつ展覧会に行ったということを書きました。
そしてこの記事は神戸の二つの展覧会について。
一つ目は、六甲アイランドにある神戸市立小磯記念美術館で行われている「植物画世界の至宝展」(~9/4)です。
じつは今回、この美術館に初めて行きました。
六甲ライナーに久し振りに乗って、アイランド北口駅を降りてすぐ、美術館が見えてきます。
美術館は、ぐるっと反時計回りに常設展・特別展・グッズ売り場となっていて、真ん中に小磯良平氏のアトリエが再現されています。
なぜわざわざこの特別展を訪れたのかというと、この植物画はそれぞれていねいに水彩や油彩で描かれたもので、ぐっと近寄って植物の細部の性質までを観てとることがおもしろいからです。
展覧会の会場ではあちこちで「写真みたいやわ、ホンマすごいわねぇ」という声が聞こえてきましたが、写真では図鑑にのっている絵のようにはいきません。
マクロレンズではどうしても遠近のせいで、ボヤける箇所がでてきてしまいます。
例えば、これは百合の花の上にいる蜘蛛を撮ったのですが、めしべやおしべ、花のつけねのところはボヤけてしまって、脈がよく見えません。
でも、人間の意識の上では、全てが細部にいたるまで見えることになっているので、図鑑にのっているような植物画は、全てが見えているように描いてあります。
そうでないと、植物の性質をしめす目的も果たせませんので。
印刷でもいいのに・・・ということもありますが、でも近付いてみると、印刷もドットなので、ちょっとそこでがっかりするところも出てきます。
ところがその唯一無二のものが英国王立園芸協会(RHS)創立200周年記念ということで来ている・・・!行かない手はないじゃないですか!!
ただ、「こんな花があるんやな、キレイやな」で終わらせるのは勿体無いとおもいます。
その植物の構図、色の重ね具合、花や植物の各部分の特徴をどう表現しているのか、を観ていくと、たとえば自分で育て上げた植物がどうすればきれいにディスプレイできるのかとか、写真を撮るときに、こういうアングルにすればいいのかとか、そういう見方もおもしろいのではないでしょうか。
特別展のさいごには、小磯良平氏の描いた日本の薬草の彩色デッサンがありました。
それが何とも言えず洒落ていて、うなってしまいました。
けっきょく「印刷だけどなぁ・・・絵葉書よりは断然美しいから」と思い切って買った図録には小磯良平氏の彩色デッサンが含まれていませんでしたが、エッセイや、それぞれの絵につけられた解説(日英両方)をかんがえると、またこれが一般書店で発売されそうにないことをおもうと、非常に贅沢な一冊です。
■ 神戸市立小磯記念館【英国王立園芸協会(RHS)創立200周年記念 500年の大系『植物画世界の至宝展』】
■ bloc 希望的観測:植物画世界の至宝展
■ asahi.com:世界遺産・博物館島「ベルリンの至宝展」
■ 神戸市立博物館 【世界遺産・博物館島「ベルリンの至宝展」】
■ bloc 希望的観測:世界遺産・博物館島「ベルリンの至宝展」
次に三宮で一つの至宝展を観に行きました。
神戸市立博物館で開かれている、「世界遺産・博物館島『ベルリンの至宝展』」(~10/10)です。
大英博物館展はよく日本にやって来ますが、ベルリンのほうは観たことがなかったということと、博物館島全体を観て回るのは至難の業だろうとおもったこともあり、ハイライトの一部が来ているであろう、この展覧会を観たかったのです。
エジプトの美術、古代西アジアの美術、ギリシャ・ローマの美術・・・というのは、定番。
おもしろいのは、ビザンチン美術やイスラム美術。
ふだんあまり見ないせいか、こういう美術作品のもつユニークさを感じました。
イスラム美術は、ほんとうに幾何学的な美しさを好んでいたことが良く分かり、その規則性にうっとり。
ヨーロッパ古典絵画も近代美術もふくまれているのが、特徴といえるでしょうか。
近代美術では、あまり名前を知らなかったシンケルというベルリンの建築家であり、画家、設計家の作品が気に入りました。
これらの作品は、今ならweb上で、asahi.comからのリンクで見ることができます(↑にリンクをはりました)。
さいごに、グッズ売り場でみかけた、KOESEN(ケーセン;OEはOのウムラウト)のぬいぐるみがとっても可愛かったです。
ハリネズミが欲しくて欲しくて・・・でも予算オーバーになること必至だったので断念。
そしてこの記事は神戸の二つの展覧会について。
一つ目は、六甲アイランドにある神戸市立小磯記念美術館で行われている「植物画世界の至宝展」(~9/4)です。
じつは今回、この美術館に初めて行きました。
六甲ライナーに久し振りに乗って、アイランド北口駅を降りてすぐ、美術館が見えてきます。
美術館は、ぐるっと反時計回りに常設展・特別展・グッズ売り場となっていて、真ん中に小磯良平氏のアトリエが再現されています。
なぜわざわざこの特別展を訪れたのかというと、この植物画はそれぞれていねいに水彩や油彩で描かれたもので、ぐっと近寄って植物の細部の性質までを観てとることがおもしろいからです。
展覧会の会場ではあちこちで「写真みたいやわ、ホンマすごいわねぇ」という声が聞こえてきましたが、写真では図鑑にのっている絵のようにはいきません。
マクロレンズではどうしても遠近のせいで、ボヤける箇所がでてきてしまいます。
例えば、これは百合の花の上にいる蜘蛛を撮ったのですが、めしべやおしべ、花のつけねのところはボヤけてしまって、脈がよく見えません。
でも、人間の意識の上では、全てが細部にいたるまで見えることになっているので、図鑑にのっているような植物画は、全てが見えているように描いてあります。
そうでないと、植物の性質をしめす目的も果たせませんので。
印刷でもいいのに・・・ということもありますが、でも近付いてみると、印刷もドットなので、ちょっとそこでがっかりするところも出てきます。
ところがその唯一無二のものが英国王立園芸協会(RHS)創立200周年記念ということで来ている・・・!行かない手はないじゃないですか!!
その植物の構図、色の重ね具合、花や植物の各部分の特徴をどう表現しているのか、を観ていくと、たとえば自分で育て上げた植物がどうすればきれいにディスプレイできるのかとか、写真を撮るときに、こういうアングルにすればいいのかとか、そういう見方もおもしろいのではないでしょうか。
特別展のさいごには、小磯良平氏の描いた日本の薬草の彩色デッサンがありました。
それが何とも言えず洒落ていて、うなってしまいました。
けっきょく「印刷だけどなぁ・・・絵葉書よりは断然美しいから」と思い切って買った図録には小磯良平氏の彩色デッサンが含まれていませんでしたが、エッセイや、それぞれの絵につけられた解説(日英両方)をかんがえると、またこれが一般書店で発売されそうにないことをおもうと、非常に贅沢な一冊です。
■ 神戸市立小磯記念館【英国王立園芸協会(RHS)創立200周年記念 500年の大系『植物画世界の至宝展』】
■ bloc 希望的観測:植物画世界の至宝展
■ asahi.com:世界遺産・博物館島「ベルリンの至宝展」
■ 神戸市立博物館 【世界遺産・博物館島「ベルリンの至宝展」】
■ bloc 希望的観測:世界遺産・博物館島「ベルリンの至宝展」
次に三宮で一つの至宝展を観に行きました。
神戸市立博物館で開かれている、「世界遺産・博物館島『ベルリンの至宝展』」(~10/10)です。
大英博物館展はよく日本にやって来ますが、ベルリンのほうは観たことがなかったということと、博物館島全体を観て回るのは至難の業だろうとおもったこともあり、ハイライトの一部が来ているであろう、この展覧会を観たかったのです。
エジプトの美術、古代西アジアの美術、ギリシャ・ローマの美術・・・というのは、定番。
おもしろいのは、ビザンチン美術やイスラム美術。
ふだんあまり見ないせいか、こういう美術作品のもつユニークさを感じました。
イスラム美術は、ほんとうに幾何学的な美しさを好んでいたことが良く分かり、その規則性にうっとり。
ヨーロッパ古典絵画も近代美術もふくまれているのが、特徴といえるでしょうか。
近代美術では、あまり名前を知らなかったシンケルというベルリンの建築家であり、画家、設計家の作品が気に入りました。
これらの作品は、今ならweb上で、asahi.comからのリンクで見ることができます(↑にリンクをはりました)。
さいごに、グッズ売り場でみかけた、KOESEN(ケーセン;OEはOのウムラウト)のぬいぐるみがとっても可愛かったです。
ハリネズミが欲しくて欲しくて・・・でも予算オーバーになること必至だったので断念。
by Chubb-3
| 2005-08-25 01:29
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